子供身長思春期

諦めるのはまだは早い!思春期と遺伝と身長

「子供の身長が伸びない」。そんな悩みを抱えている親御さんは多いかと思います。今回は、子供の身長に関して最も重要になってくるであろう「思春期」と「遺伝」に着目して、親御さんの悩みや疑問を解消していこうと思います。

 

日本人の思春期と身長の関係

さて、子供の成長期として「思春期」というワードを聴いたことがある方は多いかと思います。しかし、思春期と身長の関係性を理解している方は少ないのではないでしょうか。まずは、子供の身長を伸ばすために、「思春期とは」という疑問から迫っていき、思春期と身長の関係性を明らかにしていきます。

 

そもそも「思春期」って何?

「思春期」とはそもそも何なのか、様々な観点から見ていきましょう。皆さんが思っている「思春期」とは、子供の成長期や反抗期、異性への目覚め、親離れ、身体の変化など、大人になるための心や身体の準備期間としての抽象的なイメージが多いかと思いいます。

 

「思春期」という言葉の意味を国語辞典で調べてみたところ、思春期とは以下のような意味を指します。

 

・青年期の前期
・第二次性徴が現れ、生殖が可能となって、精神的にも大きな変化の現れる時期。
・ふつう12歳から17歳ごろまでをいう
・春機発動期

 

皆さんが考える「思春期」のイメージと辞典による「思春期」の意味はそれほどかけ離れたものではありません。

 

「第二次性徴」というワードが気になるところですが、思春期とは医学的に第二次性徴の始まりから終わりまでの期間を指します。つまり、子供の身長を伸ばすことと「思春期」の関係性を導くためには、「第二次性徴」が肝になってくるかもしれません。

 

第二次性徴とは

第二次性徴が始まる時期は、男の子が12〜14歳ごろ、女の子が10〜14歳ごろと言われており、前述でもあるように一般的に「思春期」と呼ばれるものになります。

 

子供にとって精神的にも身体的にも大きく変化する時期であり、生殖能力など生物学的な性差が見られる時期です。では、具体的に第二次性徴に入るとどのような変化が起こるのでしょうか。

 

第二次性徴の特徴

第二次性徴というのは、性腺刺激ホルモンの分泌から始まります。性腺刺激ホルモンとは、簡単に説明すると精巣や卵巣の成長を促すホルモンのことを指します。身体的変化として、以下に性別で簡単にまとめてみました。

 

男の子の場合:陰茎の長大化、精通の発生、筋肉の発達、声変わりなど
女の子の場合:乳房の発達、初潮の発生、皮下脂肪の増大など

 

しかし、このホルモンが分泌されることによりホルモンバランスが崩れ、些細なことでイライラするなど、自分でもコントロールできなくなる感情変化が見られるようになります。いわゆる反抗期と呼ばれるものです。では、身体的変化が大きく見られる第二次性徴ですが、本題である身長の伸びとの関係性はあるのでしょうか。

 

第二次性徴と身長の関係性

では、今回の本題である思春期と身長の伸びについて、数値データをもとに見ていきましょう。厚生労働省が公開している日本の平均身長について以下に男女別でまとめてみました。

 

表1:6〜20歳の男女別身長推移(厚生労働省保健衛生第1章より)
年齢 男の子(cm) 前年齢比(cm) 女の子(cm) 前年齢比(cm)
6 117.4 114.4
7 122.0 +4.6 119.3 +4.9
8 126.3 +4.3 125.7 +6.4
9 134.6 +8.3 133.7 +8.0
10 139.2 +4.6 139.3 +5.6
11 145.1 +5.9 146.8 +7.5
12 152.6 +7.5 150.8 +4.0
13 158.1 +5.5 155.2 +4.4
14 164.1 +6.0 156.4 +1.2
15 165.6 +1.5 155.8 -0.6
16 169.4 +3.8 158.7 +3.1
17 170.9 +1.5 156.1 -2.6
18 172.1 +1.2 157.3 +1.2
19 172.4 +0.2 155.9 -1.4

20 171.8 -0.6 158.3 +2.4

 

表1は、日本の6歳から20歳までの平均身長と前年齢との身長差を男女別に表したものです。また、表1をもとにグラフを作成してみました。

 

注目していただきたいのは、男女別身長前年齢比です。第二次性徴、いわゆる思春期と呼ばれる時期は男の子で12〜14歳ごろ、女の子で10〜14歳ごろに多いとお伝えしました。

 

しかし、身長の推移から男女ともに最も身長が伸びる年齢は9歳ということが分かります。あくまで日本の平均身長から割り出した結果ですが、身長を伸ばす時期として大切なのは、思春期前の「9歳の時期」ということになります。

 

思春期で身長が伸びるというイメージより、身長が伸び始めてから思春期が訪れるといったイメージの方が正しいかもしれません。特に女の子の場合、思春期である14歳の時期にはほとんど身長が伸びていないことが分かります。

 

日本人の思春期と身長の関係性

男女別の身長の伸び率を見て、みなさん驚かれたことでしょう。しかし、9歳の時期が最も身長の伸びが著しいということだけで、思春期である10〜14歳の時期は比較的身長の伸びは著しい傾向にあります。

 

また、思春期が終わる14歳ごろ以降、男女ともに16歳の時期に身長が伸びていることも分かります。

 

したがって、「思春期前」、「思春期」、「思春期後」の3ステージにおいて身長の伸びる時期が存在することが分かります。さらに、身長の推移から男の子は170cm前後、女の子は157cm前後で身長の伸びが止まっていることも分かります。

 

身長の伸びが止まる時期を遅らせることができたら

前述でもあるように、男女ともに身長の伸びが止まる時期があります。この時期を遅らせるということは、思春期を遅らせるということです。

 

つまり、思春期の時期を伸ばし、身長が伸びる時期を増やせば、さらに身長が伸びるのではないかという考え方になります。では、実際にこのような考え方を実現することは可能なのか見ていきましょう。

 

思春期を遅らせると身長が伸びるという考えに至った経緯

そもそもなぜ「思春期を遅らせる」という考え方に至ったのかというと、日本人の平均身長と欧米人の平均身長の差が関係しています。

 

前述から日本人の平均身長は男性170cm前後、女性157cm前後という結果が分かりました。しかし様々なスポーツを観戦していても、欧米人と日本人の身長差は明らかです。では、なぜ身長差が生まれてしまうのでしょうか。

 

欧米人と日本人の思春期の差

実は、13歳ごろ(中学生)までは欧米人と日本人に身長の差はほとんどありません。しかし、欧米人は日本人に比べ思春期が遅い傾向にあります。

 

日本人の中でも、「身長が低かったのに成人式で再会したら急に身長が伸びていた」なんて経験をしたことがある方もいるでしょう。

 

これには思春期の時期が関係していると考えられています。つまり、思春期が遅いと身長の伸びが著しい傾向にあるということです。

 

しかし、日本人の身長推移結果からも分かるように、日本人は思春期の訪れが早く、それに加え早熟です。したがって、身長が伸びる時期はあるものの、身長の伸びに費やす時間が短いということになります。

思春期を遅らせる方法

思春期を遅らせる最も効果的な方法は、生活習慣の改善になります。思春期の時期が早く早熟である原因として、睡眠不足・栄養不足・運動不足などが考えられています。

 

特に近年スマートフォンが普及し、小学生のうちから買い与える家庭も多いでしょう。内閣府による調査においても、小学生の携帯電話所有率は年々増加傾向にあるという結果が出ています。

 

子供の身長に伸び悩んでいる親御さんは、まず子供の生活習慣から見直す必要があります。

 

・バランスの良い食事
・適度な運動
・十分な睡眠時間の確保

 

この3点に気を付けて子供の成長を見守ってあげてください。

 

身長と遺伝の関係性(ちょっと面白い話)

前述で欧米人の平均身長が日本人よりも高い理由は「思春期の時期」とお伝えしましたが、そもそもアメリカはファーストフード大国、肥満率も日本より大きいはずなのにアメリカ人の平均身長は日本人よりも高い傾向にあります。

 

身長と遺伝が関係しているのであれば、必然と矛盾しているのではと思われる方も多いでしょう。では、実際に身長と遺伝に関係性はあるのか見ていきましょう。

 

オランダ人の身長が高い理由

世界で最も平均身長が高い国として有名なのがオランダです。その平均身長は男性184p、女性171pと、日本人に比べ非常に高身長です。これまでオランダ人の平均身長が高い理由として以下の要因が挙げられてきました。

 

・酪農国のため乳製品を多く摂取している
・成長ホルモン剤が入った餌を主食としていた牛や太を食べていたから
・寒い地域の動物の方が、体が大きくなる(ベルクマンの法則)
・栄養改善

 

これらの要因は他の国でも十分考えられる要因で、オランダ人の平均身長が高い理由としては説得力に欠けていました。

 

しかし、数年前にある説が注目を浴びるようになりました。それは、ロンドン大学のGert Stulp博士による研究内容です。生粋なオランダ人を対象に大規模な疫学調査を実施したところ、「平均身長より高い男性と平均的な身長の女性」の夫婦の組み合わせが、最も子供に恵まれていることが分かりました。

 

しかし、子供の生存率という要素を加えたところ、身長が平均的な女性の方が多くの子供を授かりましたが、生存率が高かったのは、身長が平均以上の女性の方が多かったということが分かりました。

 

つまり、オランダ人の身長が高い理由として、子孫を多く残すためには男女ともに身長が高いほうが有利だという自然選択が挙げられるのではないかということです。

 

身長と遺伝には関係があると指摘する学者もいますが、このオランダ人を対象とした研究結果は非常に興味深いものです。この研究結果を聴くと、日本の少子化と平均身長の低さが関係しているようにも思えます。

 

まとめ

これまで様々な観点から「子供の身長の伸び」についてアプローチしてきました。思春期と身長には、身長の統計データからも分かるように、ある程度の関係性があることが分かりました。

 

また思春期だけでなく、思春期前と思春期後にも身長の伸びるステージが存在することも分かりました。さらに、世界で最も平均身長が高いオランダ人を対象としたの興味深い研究結果により、身長と遺伝の関係性はいまだ解明されていないということが分かりました。

 

今回、この記事を通して子供の身長に悩む親御さんに伝えたいことは、以下の2点を意識してほしいということです。

 

・思春期の重要性
・身長と遺伝の関係はいまだ皆無

 

ぜひ、「親御さん自身の身長が低いから」と悩むのではなく、まずは思春期を意識して子供の成長を応援してあげてください。

 

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